たげりの短冊

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2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年に読んで良かった本

アンナ・バーンズ『ミルクマン』主人公を含め具体的な名前がある登場人物はいないけれど、全員がキャラ立ちしててちゃんと読めてしまう大長編。NetflixにあるDerry Girlsが好きな人には特におすすめ。 ミルクマン 作者:バーンズ,アンナ 河出書房新社 Amazon …

ヒトラーの忘れもの

『すべての見えない光』からルイス・ホフマン経由で観たのだが、思いがけず「2023年に観た映画ベスト」に滑り込んだ。 戦闘シーンは一切ない反戦映画としてとても良い作品だと思うけど、観ることに緊張を強いられるし、観ていることが辛かった。 冒頭に軍曹…

Netflix すべての見えない光

インスタでタイトルぐらいは知ってるよーっていう程度の作品が映像化されていたので観ることにした。原作は『シェル・コレクター』などのアンソニー・ドーアによる同名小説。全4話。 すべての見えない光 (ハヤカワepi文庫) 作者:アンソニー ドーア 早川書房 …

ボトムス ~最底で最強?な私たち~

終始意味不明だったけど00年代の男2人組おバカ映画のアップデート版を女2人組で観れる時代になったのだなぁと思った。言動も行動もクソなジェフ(またもやお城のようなところに住んでいるニコラス・ガリツィン)が1ミリも怖くないのが絶妙だった。 観た女子全…

Brye - Diet Culture 和訳

BryeのDiet Cultureを和訳してみた。英語はあまり得意じゃないから、明らかに違うって箇所があったら教えてね。 私のやせてる友達が「むくんでる」とそれをわざわざ知らせてくる 私の義理の母は「補正下着が要る」とそれで見栄えが良くなるって さっき初めて…

Kate Winton - I'm Still Here 和訳

Kate WintonのI'm Still Hereを和訳してみた。英語はあまり得意じゃないから、明らかに違うって箇所があったら教えてね。 23歳、すぐに80歳パーティーなんかにいる気分じゃないたくさん友達がいるってわけじゃないから 何事もなく一人でいるけどそれが寂しい…

サリー・ルーニー『ノーマル・ピープル』

英語のリーディングが苦手なくせに、知っている名作の簡略版を読むのは面白くないので原書から読み始めた。KindleのWord Wiseという機能を使っていてもたぶん8割ぐらいしか理解できてないし、6割ほど読んだところで挫折した上に図書館で邦訳を見つけてしまっ…

『だが、情熱はある』第1, 2話 感想

日テレの『だが、情熱はある』が今のところ割に面白いので感想を書くことにした。なんとなくNHKで放送されていた『拾われた男』(Disney+で配信)と同じような雰囲気を感じる。 髙橋海人が演技をしている所を初めて観たので何とも言えないのだけれど、若林に…

ディー・レスタリ『珈琲の哲学』

『珈琲の哲学 ディー・レスタリ短編集 1995-2005』 読書で世界旅行 5冊目《インドネシア》2023年2月28日~3月2日 Slowlyという手紙を交換するアプリで出会った方に紹介して頂いたディー・レスタリの作品。彼女はほかにもMia ArsjadやLuna Torashynguについて…

『わたしのペンは鳥の翼 アフガニスタンの女性作家たち』

読書で世界旅行 4冊目《アフガニスタン》2023年2月9日〜17日 この本はダリー語やパシュトー語からの重訳だが、だからこそ日本にいる私もこの短篇集を読めているのだと思う。印象に残った作品は沢山あったけれど、短篇集なので作品1つ1つにあれこれ書くのは…

アンナ・バーンズ『ミルクマン』

原題 : Milkman読書で世界旅行 3冊目《北アイルランド》2023年2月13日~15日 19世紀以前の本を読みながら歩く「私」はそのせいで近所を怖がらせているらしい。ある時、その読み歩きの途中「ミルクマン」に声をかけられ、それを皮切りに「私」に指一本触れな…

NHKの大奥第1話 良かった!!

去年まだドラマ版の制作が発表されてないときに、パンデミックを描いた漫画だっていうことを小耳にはさんで読んだ『大奥』。NHKドラマ10、期待値を軽く超えてきた。 そりゃぁ大河ドラマみたいに予算は掛かってないだろうし、お着物が鬘がって感じだったけど…

2022年に読んで良かった本

ラリーン・ポール『蜂の物語』蜂版『侍女の物語』とも言われる小説で、蜂の生態にかなり興味が沸いた。日本語版の装丁がとても美しいのも推す理由。 蜂の物語 作者:ラリーン・ポール 早川書房 Amazon イリナ・グリゴレ『優しい地獄』社会主義の国だったルー…